きものに馴染む
何度も自分で着て回数を重ねないと
きものと自分がマッチしない
それはどういう事でしょう
例えば、
年に一度しかきものを着ない方が
美容院で着付けをしてもらったら
それは美しくシワのないキチンとした
着姿になる事でしょう
ですがその方の立ち居振る舞いは
普段の洋服の仕草となり
きものにそぐわない様子となります
帯は窮屈できものは重い
履き慣れない足袋や草履では
動きがぎこちなくなるはずです
茶道のお稽古でも
ただじっとしている訳ではありません
立つ座る、正座にお辞儀
腕を伸ばして物を取ったり懐に物を入れたり
様々な動きの中で
どうしても着崩れは生じます
ですが例え着崩れがあったとしても
自分で着付けたならどの部分がどうなるから
緩んだりシワになるという事に気付くでしょう
その一回ごとの気付きを次の着付けに活かせば
だんだんと自分の着方が身に付いて行くのです
自分に合った補正を見極め
着崩れの経験を幾度となく重ね
その気付きを次の着付けで工夫する
それを繰り返す事で自分に合った
補正を徐々に見つけていく
着崩れを恐れず着続ける
幾度もの経験を経てようやく
「きものに馴染む自分になった」
との思いに至ったのです